前田研究室では、好奇心に基づき楽しく研究することを最も大事にしています。そのためには、ひとりひとりが自ら考え、手を動かして実験し、結果を読み解き、他者と議論しながら研究を前に進める力を身につけることが必要になります。研究活動を通じて、専門知識や実験技術だけでなく、論理的思考力、課題発見・解決力、プレゼンテーション能力、科学論文を読み書きする力を段階的に養います。
そのため、日々の実験に加えて、GM(Group Meeting)・中間報告・期末報告・雑誌会・輪講を研究教育の柱としています。これらを継続することで、B4から修士、博士へと進むにつれて、「研究結果を説明する」段階から、「研究の意味を考え、自ら次の研究を構想する」段階へ成長することを目指します。
| B4 |
研究の進め方を学ぶ まずは研究にしっかり取り組み、実験・解析・議論の基本を身につけます。 |
|---|---|
| M1 |
主体的に実験を計画し、結果を考察する 研究目的を意識しながら、自分で次の実験を考える力を養います。 |
| M2 |
研究全体を俯瞰し、自ら次の一手を考える 個々のデータを研究全体の中に位置づけ、研究を主体的に前へ進めます。 |
| D1以上 |
新しい研究テーマを自ら構想し、世界に発信する 既存研究の到達点と未解決課題を見極め、独自の研究を築くことを目指します。 最終的には指導教員(=前田)から"一本"取るのが目標です。 |
前田研究室では、GM(Group Meeting)、中間報告、期末報告を、独立した行事ではなく、研究を継続的に深めていく一つのサイクルとして位置づけています。日々の実験と議論を積み重ね、一定の期間ごとに成果を整理し、そこから次の研究課題へ進みます。国際舞台で通用するプレゼン能力を養うため、博士課程学生の研究報告会は英語で実施しています。
日々の実験から得られた最新の成果を報告し、研究室メンバーとの議論を通じて結果を考察するとともに、 次に行うべき実験や研究の方向性を考えます。
| B4・M1 | 夏学期、冬学期それぞれ3回 |
|---|---|
| M2 | 夏学期、冬学期それぞれ2回 |
| D1以上 | 夏学期、冬学期それぞれ1回 |
半年間の研究成果をまとめ、個々の実験結果だけでなく、それらが研究全体の中でどのような意味を持つのかを整理します。
1年間の成果を体系的にまとめ、研究開始時の目的に対して何が明らかになったのか、何が未解決なのかを振り返り、次年度の研究計画につなげます。
研究を分かりやすく伝える能力を身につけるには、実際に発表と議論を繰り返すことが重要です。そのため、研究経験の浅いB4・M1ほど発表機会を多く設け、経験を積むにつれて、個々の実験結果の報告から研究全体を俯瞰した議論へと段階的に進めるようにしています。
また、各報告会では発表前にレジメを作成し、研究室全体に配布します。定期的に自分の実験結果を文章と図で整理する習慣を身につけることで、学会発表や学位論文、さらには学術論文の作成につながる基礎力を養います。
雑誌会では、国内外の研究グループから発表された最新の学術論文を読み、その内容を整理して研究室メンバーに紹介します。
| B4・M1 | 夏学期1報(新M1)または3報(化学系学士卒M1)、冬学期3報 |
|---|---|
| M2 | 夏学期3報、冬学期10報 |
| D1以上 | 10報 |
雑誌会の目的は、単に最新の研究成果を知ることではありません。他の研究者が「何を問題と考え、どのような仮説を立て、どのような実験によってそれを検証したのか」を読み解くことで、研究の考え方そのものを学びます。同時に、自分自身の研究がその分野の中でどのような位置にあり、何が新しく、どこに次の研究課題があるのかを考える機会とします。
研究経験が増えるにつれて、扱う論文数も増えていきます。B4・M1では個々の論文を正確に理解して説明することから始め、M2以降では複数の論文を比較しながら研究分野全体を俯瞰することを目指します。博士課程ではさらに、既存研究の到達点と未解決課題を見極め、自ら新しい研究テーマを構想する力へとつなげていきます。前田の経験上、ブレークスルー級の大成果は別の分野の知見や成果に端を発することが少なくありません。自身とは別の研究分野の知見を自身の研究テーマへ持ち込むことで、当初想定を超えた大きな成果を得られる可能性があります。その意味でも雑誌会は重要です。
輪講では、光化学や触媒化学など、研究室での研究活動の基礎となる教科書を分担して読み、担当箇所の内容を順番に発表します。前期は6〜7月、後期は11〜12月に実施しています。発表者は担当部分をあらかじめ予習し、重要な概念や考え方を整理したうえで、研究室メンバーに分かりやすく説明します。聴講者も内容を考えながら聞き、疑問点や意見を積極的に出して議論に参加します。
教科書の内容を正確に理解するだけでなく、「何が重要なのか」を自分で判断し、それを他者に伝わる形に整理することが輪講の重要な目的です。発表と質疑応答を繰り返すことで、光化学・触媒化学の基礎知識を体系的に身につけるとともに、内容を読み解く力、要点を整理する力、分かりやすく説明する力、議論する力を養います。